2017年5月中旬に開催されたGoogle I/O 2017にて、本年中には日本でもGoogle Homeが発売されることが発表されました。また今週、アンドロイド携帯で日本語版Google Assistantがリリースされ、日本語での利用が可能になりました。Google Homeのデバイス自体で日本語を試すことはできませんが、日本語版Google Assistantをいじりながら、日本市場にお目見えする日本語対応Google Homeの機能を予想してみます。
メディア視聴
音楽
まずは、スマホにダウンロードしたGoogle Homeアプリで音楽サービスの選択をします。スマホの言語設定が日本語の場合は、No defaultしかでてこず、選択できませんが、スマホの言語設定を英語にすれば下記の音楽サービスの選択が可能になります。
Google Play Music:日本のGoogle Play Musicのアカウントでも設定することが現時点で可能です。日本語版Google Assistantからスマホでの再生ができています。
Spotify:プレミアムアカウントが必要。日本でも同様な設定になるかと想像しています。
Pandora:フリーのラジオサービスですが、米国のみのサービスなので、日本では使えなさそうです。
YouTube Music:YouTube Redの有償サービス利用者のみがリンクできますが、日本では使えなさそうです。
英語版Google Homeでは曲名、アーティスト名、アルバムを指定してプレイすることが可能です。クラシック等のジャンルを選んだり、ハッピーな音楽とかエクササイズ用の音楽といった指定もできるようです。日本語版Google Assistantで試したところ、ゲスの極み乙女等の日本人アーティストは指定できるのですが、ジャスティンビーバーやアリアナグランデ等の外人アーティストは指定できませんでした。何故か演奏停止もGoogle Assistantではできず、アプリに遷移して停止しないといけませんでした。このあたりは、近日中に改善されるのではないかと期待しています。
音楽はスマートスピーカーで一番の肝ですが、Amazon EchoとGoogle Homeで音楽サービスを比較してみますと、Amazon Primeに付属するAmazon Prime Music(年間3900円、100万曲以上)とGoogle Play Music (月額980円、3500万曲以上)が比較するファクターのほとんどを占めることになります。コスト重視ならばAmazon、曲数重視ならばGoogleに軍配があがりそうですね。
ニュース
Google Assistantの設定画面より既にGoogle Homeにサービスを提供しているニュースメディアを選択します。ニュースのジャンルは一般、テクノロジー、ビジネス、スポーツ、国際、エンタメ、政治、科学、ヘルス、アート/ライフスタイル等に別れており、80以上のメディアがラインアップされています。米国ではポッドキャストがサービスとしてかなり普及しているので、各メディアもネットでの音声配信への対応もスムースに進んでいるのですが、日本ではポッドキャストはサービスとして人気が出なかった為、日本のメディアが音声配信に対応する環境が十分醸成されていないことが懸念されます。その為、米国のラインアップには劣りそうですが、日本のテレビ、新聞、インターネットメディアも日本でのGoogle Home発売時にはいくつかラインアップされるとは思われます。
ラジオ
米国ではPandraが9000万ドルを支払う等、様々な訴訟、交渉を経て音楽のネット配信での権利処理の手法が確立され多くのインターネットラジオ局がサービスを提供できています。海外の権利処理の概要については英語のブログではありますがDo I Need a License for Internet Radio?でうまくまとめられておりますのでご参照ください。そのような環境でも、数ヶ月前までGoogle Homeでは多くのラジオ局が利用できない状況だったようです。iHeartRadioがGoogle HomeにリンクしたことによりiHeartRadioがカバーするラジオ局が聴けるようになり、サービスが一気に改善したようです。一方日本では著作権と著作権隣接権の問題が簡単に処理できる仕組みがシステムとして確立できていない為、インターネットラジオ局もRadiko等の一部のプレイヤーに集約されている状況です。詳細は日経トレンディネットの「日本でネットラジオが育たないワケ」をご参照ください。全くの私見ではありますが、日本でのサービス開始時にはRadikoのみのサポートになるのではと予想しています。
TVとスピーカーをコントロール
Google Homeを使ってTVをコントロール
英語の解説ですが、ビデオが一番わかりやすいので、こちらをまずはご覧ください。
日本でもクロームキャストかクロームキャスト搭載のTVがあれば、この機能を使うことができます。YouTube動画またはNetflixのタイトルを発声すれば、Google HomeにリンクしているTVで再生が開始されます。便利な機能ではありますが、検索するのにはまだまだ使いづらいので、目当ての番組のタイトルを覚えていて再生するしかないようです。一旦再生が始まれば、スキップ、早送り、巻き戻し等が音声で制御できるので、Netflixを契約しているユーザにはかなり便利な機能ではないでしょうか。
複数の部屋にオーディオを配信
Chromecast Audio(¥4,980)をスピーカー一つ一つに設定すれば複数のスピーカーに対して同時に音楽を配信することができます。ただ、動画配信できるChromecastと同じ価格設定にされているのが、少々割高に感じてしまい、かつ複数購入するギークな方がそう沢山いるとは思われません。こういう事もできるというバリエーションの一つでしょう。
Googleフォトを閲覧
音声コントロールでGoogleフォトの写真、ビデオをChromecastやAndroid TVに配信することができます。素敵な機能ではありますが、Google HomeよりもGoogleフォトの機能がすぐれているからかなと思います。AndroidユーザはGoogleフォトを使う方も多そうですので、これは使うべき機能になるかと思います。一方iPhoneユーザのほとんどはAppleの写真アプリをデフォルトで使うはずですので、本当は写真アプリもGoogle Homeとリンクできればいいのですが、そこはスマートスピーカーの覇権争いもあり難しそうです。
スケジュール管理
交通情報
自宅と勤務先の住所を登録することにより、車、電車、バスでの通勤時間を教えてくれます。また特定の場所への移動時間や交通情報も検索することが可能です。日本語版Google Assistantでもしっかりいろいろな情報を教えてくれます。
ローカルビジネス情報

近くの薬局、ATM、レストラン等のローカルビジネスの情報を教えてくれます。また電話番号、住所、開店時間等もGoogleに登録されていれば音声で検索が可能です。英語版Google Assistantでは日本語とのマッチングが上手くできていないようで、ほとんど情報が出てきませんでしたが、日本語版ではかなり改善され、国会議事堂のレストランもガイドしてくれました。東京駅のおすすめのレストランは難しかったようで、墨田区のレストランをリストされてしまいましたが、、、、。
天気
自宅、勤務先、または指定した場所の天気を、現在、明日、指定日、週末、今週、指定期間(1-10日の間)で教えてくれます。
カレンダー
Google Home設定時のアカウントに紐づくGoogle Calendarのイベントを教えてくれます。またイベントを追加することも可能ですが、削除、キャンセル、変更、招待者を追加、ロケーションを追加することはGoogle Homeではできません。また他のGoogleアカウント、共有カレンダー等もリンクは現時点はできないようです。
フライトインフォメーション
英語版ではGoogle Flightsが音声で利用できるようになっています。Alexaのスキルは外部サービスを利用していますが、Google Homeは自社サービスなので検索精度、使いやすさは格段に上回っています。また既に予定されているフライトも、Gmailから情報を自動的にとりだして教えてくれますので、ここもAlexaよりも使いやすいのではないかと思われます。ただ、日本語版のGoogle AssistantではGoogle Flightsを呼び出さず、他社のサイトをリステイングするだけにとどまっていますので、日本語版ではどういう仕様になるのかは不透明です。
My Day
1日の予定、天気、交通情報、ニュース等をまとめて教えてくれる機能です。忙しい朝に音声で教えてくれるのはGoogle Homeで最も便利な機能の一つではないでしょうか。
タスク管理
アラーム
タイマー、アラームの設定ができます。今の所アラーム音は音楽等には変更できないようです。
ショッピングリスト
音声でショッピングリストを作成することができます。米国ではショッピングリストから買物もできるようになっておりますが、日本で買物機能が実装されるかは不明です。
質問してみる
Facts & Info
日本語版Google Assistantでもいろいろ答えてくれるようになっています。ジャンルは歴史、経済、スポーツ、計算、翻訳、為替、単位変換、カロリー計算、現地時間、休日等多岐に渡ります。
巨人の試合結果を聞いて、サンフランシスコジャイアンツのスコアを答えてしまうのは、日本語習いたてのアメリカ人なので許してあげましょう。(笑)
でもアメリカ人なのに、先生の許可がないと英語では受け答えしないという妙に律儀な性格です。一方多言語翻訳もできるので、頭脳レベルは只者ではないようです。
ホームコントロール
Google Home対応のスマートデバイスで様々な家電制御が可能になります。nestやHoneywellのサーモスタット、SmartThingsやWinkのスマートハブを接続すれば音声で室温調整ができます。Google Homeにリンクできるスマートライトも多数米国では発売されており、ライティングも様々なアレンジができるようになっています。日本ではこれらのスマートデバイスはほとんど発売されておらず(PhilipsのHueのいくつかのモデルは技適対応の日本モデルがありますが)、この機能がGoogle Homeの発売時にどう使われるのかかなり気になるところです。またIFTTTを使って「おやすみ」というワードでライトを消すというようなカスタマイズも可能です。
エンタメ
音声系のゲームはAlexaでもなかなか面白い物がありませんが、Google Homeでもトリビア等のクイズ形式のものがメインになるかと思われます。ゲームよりもAIが学習を深めて、いかに面白いやりとりができるかのほうが期待されるでしょう。
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