SportsPro OTTとは、スポーツのデジタル動画配信に関わる事業者向けに特化したイベントで、世界中から600名の参加者を集めるまでに成長したイベントです。今年はマドリッドで11月28日と29日の2日間にわたって開催され、期間中に開かれるセッション数はのべ32セッションに上ります。 マドリッドには、2008年の北京オリンピックを皮切りにオリンピック・パラリンピックの映像と音声の制作とテレビ・ラジオ局への配給を一手に担ってきたOlympic Broadcasting Services (OBS)があり、スポーツのデジタル配信にとって切っても切れない関係にあります。 SportsPro OTT のスピーカーの顔ぶれはなかなか豪華なものとなっており、以下のような会社のCxOや部門長の方々が直々にデジタルへの取り組みについて講演しています。 ■ライツホルダー側 IOC、F1、PGA、ATP、UEFA、LaLiga、WWE、NBAなど ■配信事業者側 Olympic Channel、Sky、BT、CANAL+、Comcast、NBC Sports、Discovery、EUROVISION、Huawei Technologiesなど ■テクノロジーベンダー deltatre、Brightcove、Dotsub、NAGRA、Friend MTS、ContentArmor、SciSportsなど 一流のブランドを持つ企業をスピーカーに迎えていることもあり、参加者の側もスーツを普段着るような方々が多く見受けられました。 セッションのトップバッターを務めたのはゴルフでおなじみのPGA。PGAはDiscoveryとともに2019年1月にゴルフ専門のデジタルメディアGOLFTVを立ち上げると発表したばかりです。 なぜ立ち上げるのかというと、ゴルフは全世界的に知名度があり、かつ、興味を持っている層が一定数いるから。そのような既存のゴルフファンに向けて、ツアーのライブ配信・アーカイブ配信だけでなく、ラウンドが終わった後の独占解説であったりツアーの裏話など、テレビ放送では提供されないようなコンテンツを充実させるそうです。 また、タイガーウッズともパートナー契約を結んでいるそうで、彼がスコアを上げるために行ってきた練習方法を公開するなど、コルフという切り口で深掘りしたコンテンツを多数取りそろえるのはゴルフ専門メディアならではです。 GOLFTVは全世界的に展開するメディアであるため、ただコンテンツを充実させるだけではなく、国ごとの違いについても考慮しているとのこと。これは、ただ単に現地の言語で提供するという意味合いだけではなく、どの選手が有名なのか、どういうコンテンツが好まれているのか、どういう契約・支払方法がよいのか、ということも含まれます。 従来までは地上波や衛星放送の事業者に対してトーナメントなどの映像素材を卸してきたPGAにとっては、ゴルフファンと直接交流するB2Cメディアの立ち上げと運用は彼らにとってチャレンジングなことです。 ユーザーの視聴行動を追いやすいというデジタルならではの特性を生かして、どのようなコンテンツをどのようなタイミングでどのようなユーザー層に対して提供したら喜んでもらえるのかということも一からノウハウを貯めていかないとね、とライツホルダー自ら仰っていたのが印象的でした。
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Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その4)
SPARROWSのQzです。シリーズ最終回は一気にMovies & TV、Utilities、Travel & Transportation、Sports、Social、Smart Home、Productivity、Shopping、Music & Audio、Lifestyle、Health & Fitness、Localのカテゴリーを解説させていただきます。 Movies & TVカテゴリーのスキル 100以上のカスタムスキルがラインアップされていますが、ほとんどがTrivia系のスキルで、あまり人気のものはないようです。Smart Homeのスキルに分類されるかもしれませんが、LogitechのHarmony等のスマートハブを購入して、TVをAlexaでコントロールすることは可能です。しかし最高の動画体験をAlexaでするには、やはりAmazon Fire TV Stick with Alexa Voice Remoteを使うことです。米国に続き2017年4月から英国、ドイツで出荷が開始されましたが、日本でもそのデリバリーが待たれます。動画をみていただければFire TVのリモコンでAlexaが起動して、天気予報、ピザのオーダー等もできるようになっております。ただ一点惜しいのは、EchoからFire TVがコントロールできないところでしょうか。Fire TVのリモコンのボタンを押さないとAlexaが使えないというのはコスト面での制約(dotよりも$10も安い!)なのかもしれませんが、少々残念です。 https://youtu.be/gnhxXYOTEtY Utilitiesカテゴリーのスキル 150弱のスキルがリリースされています。更にサブカテゴリーでアラーム、計算機、カレンダー、デバイストラッキング、単位変換、郵便番号検索等 に分類されています。 Mosaic ☆☆☆ スキルが増えてくると、いろいろなスキルをいちいち起動させるのが面倒になってきます。そこで複数のスキルを一度に呼び出せるワークフローマネージメントのスキルとしてMosaicが開発されました。Mosaiスキルをenableすると先ずMosaicアカウントの作成とリンクを要求されます。MosaicアカウントでFacebook、SMS(USの番号のみ)、Slack、Alexa等とリンクを設定します。次のステップでGoogle Calendarや他のIoT device(Fitbit、Nest、Philips Hue、Tesla等)と接続。また別途自宅、勤務先、通学先の住所(米国のみ)やニュースソース(BBC、CNN、Engadget等から最大3つ)を設定しておきます。 "Ask Mosaic for Good Morning"というコマンドで天気、勤務先までの所要時間、ニュース、今日のアポイントメントを一気に読み上げてくれるので、忙しい朝にぴったりのスキルではないでしょうか。 Where'sMyPhone ☆☆ 自宅で携帯電話の行方がわからなくなり家族に電話をかけてもらったことありますよね?でも家族もいない、有線電話もない場合はどうしましょう?Where'sMyPhoneは自分の携帯に電話をかけてくれるという単純なスキルですが、かなりの人がお世話になっています。最初のセットアップで自分の電話番号を登録するだけで使える簡単さがうけているようです。Twilioのようなサービスをインテグレーションしていると思われます。Where'sMyPhoneは現在北米地域のみのサポートとなっています。 Travel & Transportationカテゴリーのスキル 200弱のスキルがあります。サブカテゴリーで通貨換算、エアチケット検索、ホテル検索、ナビゲーション・旅程、公共交通、タクシー・ライドシェアにわかれています。 KAYAK ☆ Priceline傘下のKAYAKが航空券、ホテルの価格比較のスキルを提供しています。地元の空港を登録しておけば、そこから500ドルの予算でいけるところとか、往復の航空券の価格等を教えてくれます。旅行先でのお勧めホテル、レンタカーの相場等の情報も入手でき、ざっくり旅行のプランニングをするには役に立ちそうです。ただしレビューは厳しくて星一つが44%を占めています。ユーザがもっと詳細な情報が得られると期待しすぎていることもありますが、同じ質問に何度も答えさせられるというようなスキルの作り込みの甘さのせいではないかと思われます。Alexaで予約まで完了させるというのは、複雑なシナリオとそれを破綻なくまわすワークフローが必要となります。仮に実装できたとしてもPCやモバイル上での操作性と比較して、かなり使い勝手が悪い(時間がかかりすぎる)ので、実用に耐えないかもしれません。この種のスキルの目的はある程度目安を提示して、ユーザにPCやモバイルサイトに遷移してもらうことに収斂されると考えます。 Bike Finder ☆ 全米25都市のレンタルバイク事業者とリンクしており、お気に入りの貸し出し拠点を登録すると、その拠点で今利用できるレンタル自転車の台数を答えてくれます。他の機能は実装されておらず、ただ台数だけ答えてくれる仕様となっています。どんな質問をしてもひたすら台数の返答しかしてくれませんが、レビューは結構な高評価です。複雑なコマンドを実装しても、ユーザが覚えきれなかったり、Alexa側が認識できなかったりするパターンに嵌ることが多く、案外シンプルな機能の方が使いやすかったりする例ではないでしょうか。 Sportsカテゴリーのスキル 250程度のスキルがラインアップされています。サブカテゴリーはエクササイズ系、ゲーム、スポーツニュース、スコア管理の4つですが、スポーツニュースのスキルが半分ほどを占めています。 Cowboys Fan ☆☆ アメリカンフットボールのダラスカウボーイズのファン用スキル。Fresh … Continue reading Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その4)
Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その3)
SPARROWSのQzです。今回はNovelty & Humor、Business & Finance、そしてGameのカテゴリーを見ていきましょう。 Novelty & Humorカテゴリーのスキル 760ものスキルがラインアップされています。完全にコンテンツ力に左右されるジャンルでありますが、アメリカンジョーク系のものがたくさんあります。 Pickup Lines ☆ 口説き文句を喋ってくれるスキル。こうしたちょっとアダルトなコンテンツが結構人気になる傾向があります。ちなみに今日のフレーズは"I hope you know CPR、because you take my breath away!"でした。Alexa Appでログを見てGoogle先生に教えてもらって、やっと意味がわかりました。 Business & Financeカテゴリーのスキル 200以上のスキルがリリースされています。レビューが沢山ついているスキルはそれほどなく、ファイナンスセクターでAlexaを使いこなせるキラースキルはまだこれからの模様です。 Credit Card Helper ☆☆ チャットボットが機械学習しながら、ユーザが希望する条件のクレジットカードを推薦してくれます。クレジットカードに限らず、保険、ローン等の比較サービスがこの手のスキルを提供するのはモデル的にはありと思われます。 Capital One ☆☆☆ アメックス、JPモルガンチェース、バンカメ、シティに続く米国No.5のクレジットカード発行銀行Capital OneのAlexaスキル。スキルをenableにした後に、Capital Oneの個人アカウントをリンクさせることにより、様々なアカウント情報を音声で教えてくれる。クレジットカードの場合、特定の店舗で先月どれくらいカードを使用したか、支払日、決済残高等、銀行口座の場合、直近の取引内容、小切手の支払予定残高等、住宅ローンの場合、ローン残高、次の支払日、次回支払い予定額等を入手できる。セキュリティの為に、4桁のコードを設定する必要がありますが、そのコードを聞かれたり、Alexa Appのログに残る仕様のようです(2017年2月時点)。比較的容易にアカウントを他人に操作されてしまうリスクが指摘されていましたが、今後改良される模様です。 https://youtu.be/GH8ywL132o4 Games, Trivia & Accessoriesカテゴリーのスキル Newsに次いでスキルの多い(約2,200)カテゴリーです。音声だけでコントロールできるAudioミステリーの人気が高いようです。 The Wayne Investigation ☆☆☆ バットマンの主人公ブルース・ウェインの両親を殺害した犯人をつきとめるミステリーゲーム。ワーナーブラザーズがバットマンvsスーパーマンの映画宣伝の為に、Amazonの協力のもと開発したそうです。リリース一週間で、他の全スキルの7倍の滞留時間を記録し、ダントツのNo.1スキルとなりました。 Earplay ☆☆ Earplay社の音声ゲームラインアップの内、一部のゲームがEchoでプレイできるようになっています。長年、スパイ物の音声ゲームを地道に開発してきただけあって、レビューの評価も高く、このジャンルはAlexaがもっとも得意とするところかもしれません。 Insult Generator ☆☆ 返答が全て口ごたえ、ばかにした言葉になる面白スキル。返答の種類は100以上あり、入力にあわせて返答をチョイスするルール作成に開発者のセンスが感じられます。パーティを盛り上げるのに丁度よいスキル。 Amazing Word Master Game ☆ … Continue reading Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その3)
Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その1)
SPARROWSのQzです。年末迄には音声アシスタントAlexaの日本語対応Amzon Echoが発売されると噂されており、Alexaに最近目が離せません。4月末時点で、Alexaのサービスや機能であるスキルは1万を超えています。英語対応のみであることと、Amazon Echoはまだ日本の技適に対応していないことから、実際に試したことがない方がほとんどかもしれませんが、ReverbというアプリをインストールすることでスマホでAlexaを試すことが可能です。どんな風に使えるのかは、下の米国向けプロモーションビデオで、ざっくりイメージを掴んでくださいませ。 https://youtu.be/hPXS7rC1PWo スキルにどんなものがあるのか、ピックアップした記事はありますが、全カテゴリーを網羅している記事はなかったので、全カテゴリーの解説をスキルの紹介とあわせて4回に渡りさせていただきます。 Alexaスキルのカテゴリー カテゴリーは20に分類されています。Alexa Skillサイトのインデックス上は21に見えますが、CommunicationはSocialのサブカテゴリーなので20と判断しています。一番多いカテゴリーはニュースで、二番目がゲーム、豆知識系となっており、いずれも2000以上のスキルがひしめき合っています。では各カテゴリーの解説に入ります。 Newsカテゴリーのスキル 2,000以上ものスキルが発表されているNewsカテゴリー。ジャンルはビジネス、コメディ・風刺、エンタメ、ファイナンス、ヘルス、ローカル、ナショナル、新聞、オピニオン、政治、サイセンス・テック、スポーツ、天気、ワールドに分類されています。メディア各社がFlash Briefingで色んなスキルを出しております。このカテゴリーのスキルは基本的な機能で作成できる為、開発はそう難しくなく、いかにコンテンツが面白いかが人気を分けているようです。 Fox Business ☆ Fox Newsから毎日要約されたニュースが配信されます。日本語対応した暁には、テレビ、ラジオ各社が同様のニュースを配信すると予想されますね。特に地方局の地元ニュースをAlexaで聞きたいというニーズは沢山あると思われます。 Weatherカテゴリーのスキル デフォルトで天気予報も利用できますが、個別の天気情報スキルも500以上ラインアップされています。スキー場毎の降雪情報スキルがあったり、地方局の天気予報番組のスキルがあったりしますが、最もレビューの評価が高いものがWeather Skyです。 Weather Sky ☆☆ USの都市であれば、どこでもウェザーニュースを読んでくれるスキル。最初に自分の居住地を設定しておけば、いつでもそこの天候情報を入手できます。自分の生まれた日の天気を教えてくれたり、雷雨や雪の効果音を出してくれる面白機能が人気のようです。 Education & Referenceカテゴリーのスキル 教育系では1,400弱ものスキルがリリースされています。 Examining the Scriptures Daily ☆ 毎日エホバの証人の説教が聞けるようになっています。信者の方々が積極的にレビューを書いて、目立つポジションをキープしています。宗教系説法はAlexaに向いているので日本の宗教法人もいずれスキル必須になると予想されます。 Word of the Day ☆ こちらも人気のスキルで今日の言葉をウィットにとんだ例文で解説してくれます。残念ながら私の英語力では何が面白いかほとんど理解できませんが、英語力に自信がある方は是非お試しください。このパターンで松岡修造の日めくりカレンダースキルとかは結構イケそうな気がします。 NASA Mars ☆☆☆ NASAが提供する火星探査機の今日の活動や、火星に関する情報を教えてくれるスキル。このスキルで、初めて火星探査機Curiosityがいまだに運用中であることを知りました。CuriosityのTwitterもなかなか面白い内容になっています。Alexaは、NASAの活動を宣伝するのに一役買っていますね。ちなみにCuriosityは原子力電池を搭載しており、14年経っても100Wの電力が確保できるらしいです。宇宙に興味のある方は是非試してみてください。 次回はFood & DrinkとConnected Carのスキルをフィーチャーしますので、お楽しみに! Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その2) Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その3) Alexa Skill全20カテゴリーから、気になるSkillをピックアップ!(その4)